KAGEROU
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銀魂 夢小説 『華、手折る頃 15』(高杉メイン) 2009/09/11(Fri) 16:48:11
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『どうしていつも・・・私はこの先に行けないんだろう』









こちらを振り返ることもせず、大門をくぐったその姿が見えなくなると

私はやり場のない気持ちにぎゅっと唇を噛み、着物の端を握り締める。



一夜の契りに、確かに心が通じたと・・・そう思えた。

確かに・・・あの人の心に触れたと思ったのに。





着物の端を握り締めたその手首にまで残された、赤く艶づくその証。


私は、口元にその証を近づけると、愛おしむように・・・そっと唇を寄せた。







一夜の契りに

確かに・・・心が通じたのだと




そう信じているから。










どれほどの間、そうしていたのだろう。

ちらほらと通りに人の気配がし始めた頃、傷だらけの足を引きずりながら、楼へと歩き出す。

その手には、藤の簪をしっかりと・・・握り締めて。




楼の看板が見える頃、ふと顔を上げると私の帰りを待ち構えるように。

太夫が見世の柱に寄りかかりながら煙草をくゆらせている。


楼の前まで来た私が



「太夫・・・」



そう、名を呼ぶと太夫はフーッとゆっくりと煙を吐き出した。

紫煙はゆらりと空へと流れ、薄れて消えていく。



「行っちまったね・・・」



私は目を伏せ、その言葉にコクリと頷くと


「葵、外の荷物拾ったら、私の部屋にいらっしゃい」

そう短く私に伝えると、くるりと踵を返し、楼の中へと入っていった。




『・・・太夫、知ってたんだ』


私は太夫の言葉で、昨夜逃げ出そうとして外へ放り投げた荷物の存在を思い出す。

そして今更ながらに太夫を裏切って逃げ出そうとした自分の愚かさに改めて気付かされた。


言いようのないぐちゃぐちゃの心を抱え、私は言われたとおりに荷物のある場所へ向かう。

逃げるためだけに用意したその小さな包み。

ぽつんと落ちたその様はまるで今の私のようで。思わず、涙がこみ上げる。


けれど・・・決して泣くまいと、心が通じたのだから、泣くことはないと自分に言い聞かせ、
唇が白くなるほどにかみ締めた。


そうして、そっと包みを拾い上げると・・・すぐそばには見覚えのあるキセル。


私は、それを拾い上げると懐へと大事にしまった。











太夫の部屋の戸を小さくたたくと、中から

「お入り」

と声が聞こえ、私は、そっと戸を引き中へと入る。



楼から逃げようとしたことを・・・なんと謝ればいいのか。

ここまで大きくしてくれたのも、芸を仕込んでくれたのも・・・全ては吉野太夫のおかげだというのに。

それなのに、私は・・・。


未遂とはいえ、太夫を裏切ったに違いないその行為に、私は頭を上げられないでいた。




太夫の近づく気配に、緊張で全身に力が入る。

それでも・・・まずは謝らねばと顔を上げようとしたその時。





「あんたにしちゃ、大胆なことするじゃない?」

いつもどおりの明るい声でそう言いながら、私の頭をくしゃくしゃっと撫でる。


その言葉に驚いた私が口を開くのを遮るように

「まあ、とりあえず足の手当てでもしようじゃないか」

そう言うと私を座らせ、前もって用意していたのか手際よく消毒を始めた。




「いっ!」

消毒液の痛みに思わず私が声を漏らすと太夫は苦笑いしながら


「ほんとにあんたは、姉さんそっくりだねぇ。あきらめの悪いところも、一途なところも、負けん気の強いところも・・・ホントにそっくりだよ」

そう言いながら、消毒が終わった合図に私の足をポンっと叩く。




「・・・?姉さんって・・・?」

私は、初めて聞くその話に、お礼の言葉も忘れて聞き返えした。



「決まってんだろう、私の姉さんだよ。あんたにとっちゃ・・・母親だけどね。そろそろ、あんたも自分の生い立ちぐらい知ってもいい齢だろう?」



初めて聞く話に私は、呆然とする。

そんな私を見ながら、ゆっくりと・・・太夫が話し出す。


「あんたが生まれてすぐの頃だったよ・・・あの頃は攘夷戦争の真っ只中でねぇ。
あんたの父親は戦へ行っちまって、町には女子供、年寄りしかいなくってね」


「だから、天人に襲われてもどうすることもできなかった。
それで、お役人に助けを求めたところが、反対に売られちまったってわけさ。
今、考えると天人とグルだったんだろうねぇ」


「まぁ、今更言っても仕方ないけどさ」

そう自分を嘲る様に軽く笑うと太夫は話を続ける。


「あんたの母ちゃんはね・・・どんな辛い目にあっても、明るくて強くって。
どんな良い身請け話が来ても絶対に断るくらい・・・毎日毎日、戦に行った旦那の事を思ってたよ。
でも、ある日その旦那が戦で死んだってね・・・」



「それを聞いた姉さんは、あんたと私を連れて一度だけ楼を抜け出したのさ。
ただ・・・、あんたの父ちゃんに一目でいいから会いたかったんだろうね。
けど、捕まっちまってね・・・。」



「そのときね・・・私や幼い葵の罰は自分が受けるから手は出さないでくれってそう言って。
そりゃあ、ひどい折檻を受けて結局それで体を悪くしちまったんだけど・・・」



「あんたの記憶がないのは、きっと・・・姉さんのことでショックが大きすぎたんだろうね」



そう言いながらも・・・うっすらと涙を浮かべる。

いっそ、私のように全ての記憶を無くしてしまえた方が楽に違いないのに・・・
太夫は、一人で背負ってきたのだ。


大切な人を失った悲しみも、残された私のことも。




初めて聞く自分の母の話に・・・私は涙が止まらなかった。


肩を震わせて静かに泣く私を、太夫はぎゅっと抱きしめながら

「葵、あんたを今日、ここから逃がすよ」



そう私の耳元でささやいた。





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ひっ、久しぶりすぎて文章が変かもしれません・・・T_T

でもぅ、今日アップしとかないとまた土日はさんじゃうので取り合えずアップ!!!

また、手直し加えると思いまする;;

そして、何より高杉様が出てこなくてごめんなさいですT_T
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テーマ:自作小説(二次創作) - ジャンル:小説・文学

コメント
Re: タイトルなし
シーナたん、いつもコメントありがとう♪
この前は、非常に楽しすぎて楽しすぎて若干記憶が飛んでいるような気が・・・日本酒おそるべし。
そして、こんな調子に乗った私と遊んでくれてありがとう♪
コラボ絵も本当にありがとうです!!感謝♪
もお、ここじゃ書ききらんのでそのうちレポをアップするにゃーwww

シーナたん、大好きww
2009/09/24(木) 15:36:30 | URL | plum #-[ 編集 ]
Re: おおお!
ううっ、いつもいつもコメントのお返しが死ぬほど遅くすいませんん;;
本当、申し訳ないですT_T
それなのにっ!いつもコメントを下さるnozomi様、本当ありがとうです!!!
のろのろしたペースですが、ラストまであと少し!
少しでもnozomi様に楽しんで頂けるよう頑張りますぅ!!
2009/09/24(木) 15:32:56 | URL | plum #-[ 編集 ]
葵の一つ一つの行動に切なさを感じてしまいます;;
続きにドキドキ、、、

そして吉野太夫がかっこいいっ!
2009/09/15(火) 00:46:53 | URL | sheena #LltKSQX.[ 編集 ]
おおお!
高杉さん・・・行ってしまったv-406
そして葵にはそんな真実が??
ハラハラドキドキですっ!

次が楽しみです!
2009/09/11(金) 22:50:41 | URL | nozomi #0p.X0ixo[ 編集 ]
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