KAGEROU
銀魂逆ハー夢小説しか置いてません。あと、ちょびっとイラストも。
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銀魂 夢小説 『華、手折る頃 10』(高杉メイン) 2009/07/14(Tue) 01:23:42
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高杉side----------------------------



島原の大門を出た後、その足で向かうは京の街外れ。





土手沿いにしばらく歩くと、見るからに古い、粗末な造りの平屋がぽつんと建つ。
窓からおぼろげに灯りがもれているところを見ると、中に居るのだろう。



俺は、平屋の前に立つと戸を叩く事もせず、スッと戸を横に引き中へと入る。

薄暗い部屋の中、目の前には一人の老人の背。

その小さい後姿は老いぼれてはいるが・・・全身から立ち上る気迫は老いている者のものではない。

まさしく、職人そのものというところだろうか。
小屋へと入った者に気がついているかすら怪しい。


俺はキセルから吸い込んだ煙を静かに吐き出しながら・・・吹けば倒れそうな壁にもたれる。





「よお、じいさん。準備の方はすすんでんのか・・・」


「誰かと思えば、旦那ですかい。そうさな・・・旦那の追加さえなきゃ、今頃酒でも飲んでる頃ですがね」

振り返ることもせず、そう言いながらも、しわだらけの年季の入ったその手は絶えず動いている。



「まあ、これが終わりゃあ・・・後は運ぶだけでさ」

そう言いながら、通常よりも数倍ほどの大きさはあろうかという大玉に玉貼りをするこの男。

名を花火師、鍵屋兵吉という。
指折りの花火師として名をはせるが、その偏屈ぶりに弟子はなく、
また、唯一心を許した連れ合いも・・・今はこの世にいない。

天涯孤独とはまさにこの男にふさわしい言葉であろう。

そして、今回の葵祭では幕府からの命により、この老人の花火が最後を飾る。



俺は、兵吉の手元の大玉に目をやり

「ククッ、派手な祭になりそうじゃねぇか」

そう言うと、兵吉は


「あっしを誰だと思ってるんで?なんせ、お上も認める花火師 鍵屋兵吉ですぜ。」

振り返りながら、ニヤリと笑う。
弱い行灯の灯りに照らされたその眼光は鋭く、鈍い光を帯びる。



「こんなでけぇのは久しぶりですぜ。そうさな、かかあが嫁に来たとき以来でさ・・・旦那の注文どおり、これなら京の街ならどこにいても見えますぜ。」


そう言いながらも、自分の子を愛でるように大玉を摩りながら玉貼りの作業を進める。


「クククッ、そうかい、そりゃ楽しみだ。で、他は抜かりはねぇだろうな」


俺のその言葉に、大玉を摩っていた手を止めると

「もちろんで。明後日は地獄の業火を奴らにくれてやりますぜ・・・」


俯きぎみに放ったその声は、大玉を愛でていた先ほどとは違い
強い憎しみと怒りがこもる・・・暗く、低い声。

想いをはせるのは、天人に殺された女房のことか。
それとも、地獄の業火に焼かれるであろう幕吏や天人のことなのか。

この男もまた・・・『己の道を突き進む』そんな生き方しかできぬ男。



どちらにせよ、俺の知ったことではない。

必要なのは、目的を遂行する為の強い憎しみ。それさえあれば、問題はない。




「そりゃ頼もしいこった。あんたの女房もさぞ・・・あの世で喜ぶだろうよ」




そう声を掛けると、表へと出る。



何もかもが予定通りに運んでいる。問題は・・・ない。



そう思い、川面にゆらりと揺れ映る月を目の端に歩き出そうとした・・・その時。


自分の着物にでも白粉がついたのだろうか。ふわりと香る、その残り香。


『葵・・・』



そんなものにまで気がついてしまうほど、己はあんな小娘に引かれているというのだろうか。



抱き上げた・・・その温かさすら思い出しそうな自分を叱咤するように。

小さく舌打ちをすると、その場を後にした。








葵side----------------------------


「う?ん、やっぱりこっちの帯の方が良かったかしらねぇ」


「はぁ・・・」

正直もう、どちらでも良かった。
もう、何度も試着してこの衣装に決まったのだから、今さらだと思う。




「葵、ちょっと、あんたっ!聞いてるの」

これで今日何度目だろうか。私の生返事に太夫の小言が飛んでくる。
今日ばかりは・・・太夫の小言も全く耳に入らず、右から左に流れていく。

思い起こせば、数時間前。
朝起きてから、やれ風呂だ、挨拶だと連れまわされ・・・

最後の化粧へと・・・工程は進んでいた。

鏡越しに私の後ろにいる太夫を見ると、部屋中ところ狭しと広げた帯とにらめっこをしている。

そんな太夫を目の端に見ながら、鏡の中の自分に目を移す。

その姿は・・・遊女そのもの。


私は、最後の仕上げに小指で紅を掬い取ると、自分の唇にそれをのせる。

高杉さんのいない世界など・・・私にとっては灰色同然で。

鏡にうつる、その紅の赤さに嫌気が差す。





『この街から出たい』


その気持ちばかりが大きくなる。
そんな思いに心をとらわれていた、その時。


「さあ、じゃあ着付けに入るよ」


「・・・」

その言葉に、本当に・・・本当にいよいよ初見世なのだとあらためて実感する。
もう、後戻りする事などできない。

そんな想いが顔に出たのだろうか。



「なんて顔してんのよ・・・あのね、葵。あんたはきっと、きっと幸せになれる。きっと・・・」

そう言いながらも、太夫は条件を出したときの事を思い出していた。

”初見世の権利を競り落としてくれ”と、あの時そう条件には出したけれど・・・
競り落としたからといって、抱きたくなければあの人は来ないだろう。そういうお人だ。

けれど、あの人の・・・葵への態度を見れば好意を持っていることは間違いない。
本人がそれを認めるかどうか、それはわからないけれど。



『高杉さんもあんたの事、思ってるはずだから。』

だから、きっと・・・来てくれる。

本当は葵にそう伝えてやりたい。

喉まで出掛かっているその言葉を、太夫が飲み込んだことを葵が知るはずもない。






「ありがと、太夫・・・」

私は、少し笑うと着付けのためにスッと立ち上がる。

すると数人がかりで、あっという間に帯がきつく巻かれる。


「うっ・・・」

帯で胸の辺りが圧迫され、思わず声が漏れた。


「ごめん、大丈夫?ちょっときつかったかしら、でも後ちょっとで終わりだから我慢してね」


「うっうん、大丈夫」

着付け係のおばさんに、そう苦笑いで返しながらも、心は晴れない。
どんなに煌びやかな着物をまとっても、私の心が晴れることなど・・・ありはしない。




「はい、できたわよっ!」

そう言って太夫に、背をポンッと押され我に帰る。


「あっ、ありがと・・・」


そう、慌てて返事する。そんな私の手をとると、太夫は私を姿見の前へ連れていく。


「葵・・・大きくなったねぇ。  あんたはきっと・・・きっと、幸せになれるよ。」


一言一言をかみ締めるように・・・そう言うと、ふわりと私を抱き締めてくれた。


「太夫・・・」


私の両目から涙が零れ落ちる。小さい頃から、家族同然に育ててくれた太夫。
姉ように、母親のように慕ってきた。


「今まで・・・ありがとう」

そう、私がポツリと呟くと太夫が驚いて顔を上げる。


「なっ、今までって何言ってんのよ。まるで、嫁ぐみたいじゃない」


「そうじゃないけど・・・だけど、ありがとう。太夫には、感謝してもしきれない。今まで・・・育ててくれてありがとう」


そう言うと、太夫の目からポロリと涙がこぼれた。

普段は、決して・・・泣く姿を人に見せるような人ではないのに。


「太夫・・・」




「ちょっ、なっ泣いてなんかないわよ!!ほらっ、あんたもせっかくの化粧が崩れちまうよ」


そういうと化粧が崩れないように、そっと私の頬を拭ってくれた。


「太夫・・・あのね、時間が来るまで一人になってもいい?」


「・・・いいわよ、あんたの好きにおし」


太夫は、そう言うと着付け係の肩を叩き、『ほらっ、次の子が待ってるでしょ』と言いながら、隣の

部屋へと促した。

私は、自分の部屋へと戻る。







窓の外に目をやれば、東の空から夕闇が迫る。

私はずっと、悩んでいた。高杉さんが江戸へ行くと・・・知ったその日から。
太夫には迷惑をかけたくない。だけど・・・誰かの物になることなど到底耐えられそうにない。


抜けは重罪。


捕まれば激しい折檻が待っている。だけど、それでも・・・少しでも望みがあるのなら。



私は、意を決し立ち上がると用意していた自分の最小限の荷物をまとめて風呂敷に包む。
そうして・・・それを窓の下へと放り投げた。


と、そのとき部屋の戸が叩かれ番頭の声が聞こえた。


「そろそろ部屋の方へ移動しな」


「はっ、はい」

私は、そう返事をすると綺麗にまとめた部屋を見渡し、もう・・・戻る事はないであろう自分の部屋

に別れを告げると部屋を出た。

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めっちゃ・・・お久しぶりの小説ですっううう!!
あわわわ、なんか調子狂うなあ^^;

ちょっとおかしなところもあるかと思いますが、復帰第1作目なので許していただけると嬉しいですぅうう。

応援してくださった皆さんっ!!plumはもう、大丈夫ですっ!

本当にありがとうです。みんなに感謝っ!
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テーマ:自作小説(二次創作) - ジャンル:小説・文学

コメント
Re: タイトルなし
> きゃ~(>∀<)
> またplumさんの小説読めて
> 嬉しい限りですっ!★
>
> もう情景がリアルに浮かんできて
> 切なくなりました…
> 高杉様ぁぁぁ!
> 葵を幸せにしてあげてくださいっっ!


ななさん、いつもありがとうです^^
いつも、励まされてます♪

高杉さまが葵を幸せにできるよう頑張りますねww
ついつい、苛めすぎちゃうんですよね(笑)
2009/07/17(金) 15:52:52 | URL | plum #-[ 編集 ]
Re: (*^-^人)www
> きゃーい8(≧▽≦)8シーナも待ってました!!
> わ~ん展開が気になる!
> エロ杉様の時とはまた違うドキドキが!
> 続き楽しみにしてまーすwww♪♪
> 『もう大丈夫』の言葉に安心ww
>
> 次の沖神の絵、かわいいww
> この二人のいちゃこらいいですね^^
> plumたんの絵大好きwww
>
> ブツ、送るから待っててね!(私信ごめん)

シーナたん、神のような申し出、本当にありがとうですww
せっかくなので、自分なりにちょこっとイラスト練習中です!!

夢がこんなに早く叶いそうで、めちゃ嬉しいよう♪ありがとう!!

ブツの件、了解です!!(笑)
2009/07/17(金) 15:50:54 | URL | plum #-[ 編集 ]
Re: うわぁ~
> 待ってましたv-10
>
> 葵ちゃんが気になってましたよぉ。
> 読んでるときバックで、‘焼きたてじゃぱん‘に出ている子安さんの声がしていて、なんかいい感じでした(何が?)


コメントのお返しが遅くなり、いつも本当申し訳ありません!!
小説の方もぼちぼち更新できるようになってきました^^

子安さんっ!最近、声聞いてないんですよ~そうですよ、じゃぱんに出てたんですよね♪
クルル曹長じゃ・・・ちょっとイメージ違いすぎて(笑)
2009/07/17(金) 15:46:50 | URL | plum #-[ 編集 ]
きゃ~(>∀<)
またplumさんの小説読めて
嬉しい限りですっ!★

もう情景がリアルに浮かんできて
切なくなりました…
高杉様ぁぁぁ!
葵を幸せにしてあげてくださいっっ!
2009/07/15(水) 23:58:32 | URL | なな◇◆ #-[ 編集 ]
(*^-^人)www
きゃーい8(≧▽≦)8シーナも待ってました!!
わ~ん展開が気になる!
エロ杉様の時とはまた違うドキドキが!
続き楽しみにしてまーすwww♪♪
『もう大丈夫』の言葉に安心ww

次の沖神の絵、かわいいww
この二人のいちゃこらいいですね^^
plumたんの絵大好きwww

ブツ、送るから待っててね!(私信ごめん)
2009/07/15(水) 11:41:35 | URL | sheena #XT8wK/aQ[ 編集 ]
うわぁ~
待ってましたv-10

葵ちゃんが気になってましたよぉ。
読んでるときバックで、‘焼きたてじゃぱん‘に出ている子安さんの声がしていて、なんかいい感じでした(何が?)
2009/07/14(火) 19:41:19 | URL | nozomi #0p.X0ixo[ 編集 ]
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