KAGEROU
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銀魂 夢小説 『華、手折る頃 17』(高杉メイン) 2009/09/28(Mon) 13:05:19
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太夫からそっと耳打ちされたのは、私がようやく泣き止む頃。

今日の夜、日付も変わろうかという頃に、街の外れまで鬼兵隊の万斉という男が私を迎えに来るらしい。
それが私を競り落としたサングラスの男だと言われ、二言、三言ではあるが会話したこともあり、私は少しだけ安堵した。

そして楼から出るときは、太夫に賛同する他の姉様達までもが協力してくれるという。

皆、見つかればただでは済むはずもないのに・・・
廊下や広間で顔を合わすたびに周りにはわからぬよう、そっと別れの挨拶をしてくれる。

そんな皆の様子に私は・・・太夫だけでなく、他の姉様達にもどれほど大切にされてきたのかということを思い知る。

そして、自分だけの先走る思いで一人逃げようとした、その浅はかさ。

それでも、何一つ変わらぬ皆に・・・挨拶をするたび、胸が締め付けられるような思いがした。


私は一通り姉様達と挨拶を交わすと 『せめてこれ以上は迷惑をかけないように』

そんな思いで太夫から聞いた手はずどおり、部屋の荷物もそのままにいかにも逃げる風などないように普段どおりに装った。



昨夜用意していた小さな包みだけを襖の奥に隠して。





そして、時は夕刻へとせまる。







一体、何が起きると言うのだろうか・・・

そんな思いを胸に。
私は今朝、自分勝手に交わした約束を果たすため、あの場所へと急いでいた。

太夫に軽く事情を話すと、夜までにはまだ少し時間があるからと快諾してくれた。
いつもどおり『必ず早く帰るように』という言葉も添えて。



私の急ぐ足に合わせ、藤の簪がシャラリとゆれる。
本当は挿すことすらもったいない程大切な物だけれど・・・これをつけて見届ける。

きっと、そうすべきなのだと思う。


高杉さんがどんな思いでこれをくれたのか、ただの気まぐれなのか、何の意図も含まれていないのかもしれない。

けれど・・・私が他の人のためにこれを身に付けることなど、ありえない。



きっと・・・もう一度会える。
そんな願いを込めて、手首に残る薄紅色の跡に口付けると私は先を急いだ。


もう、訪れるのもこれで最後になるであろう・・・あの場所へ。







夕刻-----


葵祭りの王朝行列は終わったものの、その人ごみは絶えることなく、むしろ増えているといってもいい。

お上が直々に声をかけたという天下一の花火を一目見ようと、空にまでいくつもの戦艦が浮かぶ。

天人や幕吏たちにもその例にはもれず、用意された戦艦の特別席でゆるりと酒の席を楽しみながら・・・大輪の花が咲くのを待つ。

厳戒態勢をとり、地上の特別席から空へと席を移した天人や幕吏たちは、『まさか空から爆弾がふるわけでもなし』 と誰もが安心しきり、気を緩める。



まさか、それこそが高杉の狙いであり、その花火師こそが騒ぎの引き金になる事も知らず。






そして、定刻。まずは地上から仕掛けられた花火が次々に宙に花開く。

大きな音と独特の火薬の匂いが風に乗り、あたりに立ち込めるがそれこそ花火の醍醐味と気にする者など誰もいない。

誰もがその美しさに目を奪われ、ため息と感嘆の声を上げる。


そんな中。






密かに事を進める者がいた。




空に浮く一つの戦艦。これこそ、鍵屋兵吉の晴れ舞台。

戦艦に仕掛けられた花火など今までに例はなく、また、それを知るのは一部の警備のみ。

『より高みから打ち上げられた花火は、まるで降り注ぐ星のように街を包むであろう』

その稀代の花火師の言葉に誰も疑う余地などなく、ならばと幕府が用意した物である。






「てめぇらっ!勝手にさわるんじゃねぇ!!」


そんな兵吉の怒号に逆らうものなど誰もいない。
親切心から手伝おうとした者までが殴られる始末で、戦艦から花火を打ち上げる刻ともなれば側に寄り付こうとする者など誰一人としていなかった。


それほどの彼の周りに満ちる気迫は凄まじく、まるで鬼のごとく。
その気迫が天人や幕吏への憎しみなのか、花火師本来の仕事をまっとうしようとするものなのか。

それは本人にしかわからない。



そして地上の花火が尽きる頃、見計らったようにすっと立ち上がるとすばやく、いくつもの花火に火をつける。

導火線がジリジリと音を立て、次々に宙へと飛び出した玉は凄まじい独特の音ともに大輪の花を開く。それは、まさしく降り注ぐ星のごとく宙を彩る。

最後のひとかけらが降り注ぐまで目をそらすことなど出来ない、そのあまりの美しさと見事さはまさしく天下一。

あっけにとられ、しゃべることさえ忘れた民衆たちは一瞬の静けさの後、次々に賞賛の拍手を空にいる兵吉へとおくる。

そんな中、そんな賞賛の声など気にすることもなく兵吉は一つの打ち上げ筒を横に向ける。
普通なら稼動などしないところだが、これだけは角度が自由に動くように仕組まれていた。


その打ち上げ筒が向けられた先は、一つの戦艦。
天人と幕吏が乗り込んだ、その船である。




そして今、打ち上げ筒から一つの炎が放たれた。


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